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導入事例

株式会社JVCケンウッド

グループ社員4,000名向けVDI基盤を刷新

導入について

設計環境の改革で導入したCAD-VDI環境が陳腐化

2008年に日本ビクター株式会社、株式会社ケンウッドが経営統合し発足した株式会社JVCケンウッド。両社の持つカーエレクトロニクスとホームオーディオ、無線の技術を軸に、シナジー効果を発揮、「オートモーティブ分野」「メディアサービス分野」「パブリックサービス分野」という3つの事業分野に加え、これらの技術にAIやIoTなどのデジタル技術を融合した「DXビジネス」を4本目の柱として「顧客価値創造企業」への変革を遂げつつある。

2015年、同社の設計開発部門では、Windows XPのサポート終了に伴い、それまで使ってきたCAD用のワークステーション230台の刷新が課題となっていた。すでに同社ではOA用のPC環境にVDIを導入していたこともあり、設計環境の刷新と効率的なハードウェア運用を目指してVDIによるCAD環境に移行することを決定。兼松エレクトロニクス(以下、KEL)の支援を得て、ワークステーションで稼動していたCADをCAD-VDI環境に移行した。

この結果、事業分野ごとに別拠点に展開する設計開発部門に分散していたワークステーションを一つのVDI基盤に統合したことで、ハードウェアやCADライセンスの効率的な運用を実現。エンジニアもCADワークステーションの設置してある場所に移動することなく、自席のPCで設計業務を行えるようになった。また厳格な管理が求められる設計データを統一的に管理できるようになるなど、一定の成果を上げた。

しかし、導入から4年ほど経過し、ハードウェアの老朽化、そしてCADデータの大規模化によってパフォーマンスの低下が問題となってきた。JVCケンウッド オートモーティブ分野 技術本部 第3基盤技術部 CAE技術グループ グループ長の島田英周氏は「オートモーティブ分野では自動車メーカーやアフターマーケット向けにカーナビゲーションシステムやドライブレコーダーの設計を行っています。自動車メーカーから支給されるCADデータや弊社で設計するCADデータも年々規模が大きくなってきており、ユーザーからVDIが遅いというクレームも寄せられるようになっていました」と語る。

また、Windows 7 のサポート終了にともない、Windows 10 へのリプレースも必要となっていた。同CAE技術グループ主任の中島毅氏は「VDIはフルクローン方式で導入していたのですが、OSアップデートが頻繁に行われるWindows 10 ではOSがVM(仮想マシン)ごとにインストールされているので、メンテナンス作業が大幅に増えることが容易に予想できました。そこで、Windows10で運用するにはリンククローン方式にVDI基盤を刷新する事が適切であると判断しました」と語った。

コストパフォーマンスが高いLenovo を選定

VDI基盤刷新の相談を受けたKELでは、刷新するVDI基盤のハードウェア選定にあたり、数社のサーバーを比較、その中からLenovo Think System SR650を選定。

KEL担当者は「Lenovoのサーバーは、他社のサーバーと比較して、同じ価格でも高性能のモデルを選ぶことができ、非常にコストパフォーマンスが高かったのが一つのアドバンテージでした。また、サポートの面でも他社より手厚いサポートであることも選択した一つの理由です。運用を行う限りハードウェアのトラブルはゼロというわけにはいきませんが、できる限り早く対応してくれるほうが、お客様のみならず我々としてもありがたい。この安心感はとても大きいです」と語る。

またKELは技術サポート面での対応の良さも評価している。「CAD-VDIでは高性能なGPUが必須ですが、高密度実装のSR650では高性能CPUと相まって、筐体内の温度が高くなりがちです。当初の設定では、使用を続けると速度にリミッターがかかりパフォーマンスが出ませんでした。そこで、改善を依頼したところ短期間で対応してもらい、安定して稼動しながら、当初見込んでいたパフォーマンスが出るようになりました。このような迅速な対応も Lenovo の魅力です」(KEL)。

同社では、KELからの提案をうけ、Lenovo から検証機を借り受けて検証を行った。島田氏は言う。「vGPUの効果も最大限に生かされ、パフォーマンスは満足できるもので、コスト面でも条件を満たしており、KELからの強い提案を受け導入を決めました」。

高性能のハードウェアでエンジニアの不安も解消コロナ禍のテレワークでも事業継続に貢献

SR650によるCAD-VDI基盤はKELによって構築され、VMware Horizon上に240台のVM、その上に事業分野・ユーザーに合わせて3D CADのCATIA、NX、電子回路用CADのCR-8000が稼動している。

CAE技術グループ エキスパートの大滝正裕氏は「新しい基盤に移ってユーザーからのクレームは聞かなくなりました。利用者側から『良くなった』と言われることは残念ながらほとんどないのですが、少なくともクレームがなくなったことは改善できたのだなと解釈しています」と語る。

稼動して間もない2020年初頭から突如新型コロナウィルスに見舞われ、同社でも感染予防のため出社が制限されたことで、エンジニアの多くが在宅勤務を余儀なくされた。

「これまでも、介護などで限定的に在宅勤務が許可されていた社員が在宅で業務をすることはありましたが、ここまで大々的にテレワークになるということはありませんでした。今回一斉にテレワークに移行しても設計開発業務を継続できたのは、新しいCAD-VDI基盤によるところが大きいと言えます。出社規制も徐々に緩和されてきましたが、今後は働き方改革などの観点から、テレワークでの活用が広がっていくと考えています」と島田氏は語った。

解析用HPCのVDI化も構想に高コストパフォーマンスと信頼性の高いLenovoサーバー製品に期待

同社の開発部門でのIT活用の展望について、「現在は簡単な解析についてはこのVDI環境で行っていますが、大規模な解析が必要なものに関しては、各拠点に分散しているワークステーションを使っています。これも将来的には、いわゆるHPCのVDIによるハードウェアの集約も可能性としてあると考えています。そこでもコストパフォーマンスと信頼性の優れたLenovo のハードウェアが活躍してくれることを期待しています」(島田氏)。

VDIをフルクローン方式からリンククローン方式に切り替えるには、Lenovoのサーバーが必要でした。

株式会社JVCケンウッド
オートモーティブ分野 技術本部
第3基盤技術部 CAE技術グループ
主任
中島毅 氏

新しい基盤に移ってユーザーからのクレームは聞かなくなりました。

株式会社JVCケンウッド
オートモーティブ分野 技術本部
第3基盤技術部 CAE技術グループ
エキスパート
大滝正裕 氏

この課題を解決した製品・ソリューション

  • Lenovo ThinkSystem SR650

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