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導入事例

オックスフォード大学

オックスフォード大学、世界トップクラスの学術研究にLenovoのスーパーコンピューターを採用。

導入について

オックスフォード大学は、英国オックスフォードにある世界屈指の研究大学です。学部生と大学院生を合わせて2万2000人以上が在籍し、国際的な高等教育機関のランキングでは常にトップを争っています。

同大学で先端研究コンピューティング(Advanced Research Computing)部門の責任者を務めるAndrew Richards博士はこう話します。「当大学は、世界有数の学術機関として、施設、研究、教育の質の高さでその名を知られています。近年は当大学でも、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)の利用に対するニーズが着実に伸びてきました。しかし、これまで使用してきたクラスターでは、キャパシティーと処理能力の面で、多種多様な研究プロジェクトを支えるには限界があると感じていました」

多彩な学問分野に広がるHPCのニーズ

オックスフォード大学の先端研究コンピューティング部門は、学内のすべての研究者が利用できるHPCのリソースを一元的に提供している部門です。以前は、HPCを使った研究は、物理学、医学、生物科学といった分野に限られていましたが、現在では、人文科学や社会科学を含む多彩な学問分野で、HPCによるコンピューター解析やデータモデリングが頻繁に使われるようになっています。

Lenovoのスーパーコンピューターは、オックスフォード大学がその名にふさわしい優れた研究を維持するうえで、力強い支えとなっています。

オックスフォード大学
先端研究コンピューティング部門責任者
Andrew Richards 博士

Richaards博士は「HPCを利用したいというニーズは年々高まっています。実のところ、ニーズがあまりに増えたことから、やむなく旧式のクラスターの稼働期間を延ばさざるを得ませんでした。そうしないと、サービスに中断が生じる恐れがあったからです」と話します。

学内の研究者からのニーズが増えただけではありません。新たに外部からも数百ものクラスターの利用者を受け入れていました。「オックスフォード大学は、Science Engineering South(SES)という連合体に参加しています。連合体の設備に対する資金援助が終了する中、これまでSESのリソースを利用していた研究者が当大学のクラスターに戻って来られるよう、十分なキャパシティーを用意しておく必要がありましたが、既存のクラスターでは太刀打ちできないのは分かっていました」

ソリューションの構成要素

  • ハードウェア

    Lenovo NeXtScale System nx360 M5
    Lenovo RackSwitch G8332
    Intel Xeonプロセッサ

    ソフトウェア

    Simple Linux Utility for Resource Management(SLURM)

ハイレベルなパフォーマンスと価格優位性

従来の環境のままでは研究支援に支障が生じかねないことを認識したオックスフォード大学は、処理能力が高い新たなシステムの導入を決め、調達先の候補を3社に絞りました。Richards博士はこう振り返ります。「Lenovoのソリューションなら、我々のデータセンターで生じる物理的制約の範囲内でも、我々が必要とするハイレベルなパフォーマンスを実現できました。しかも、価格競争力も非常に優れています。5年間の電力コスト、冷却コスト、保守コストを評価したところ、次善の選択肢と比べて、コストを20%も抑えられることが分かりました」

こうして同大学は、HPC向けサーバークラスターに精通したインテグレーターであるOCFと密接に連携しながら、Lenovo NeXtScale System M5で構成される全340ノードのクラスターを導入しました。各ノードはIntelプロセッサを2基搭載し、コア数はクラスター全体で計5440です。このクラスターは、40GbEスイッチであるLenovo RackSwitch G8332を使って、同大学が既に導入していたPanasasのストレージシステムに接続しました。ジョブのスケジューリングにはSLURM Workload Managerを使用し、一部のノードにはNVIDIA Tesla K40 GPUを搭載しています。

「このGPUを生かして、誰でも研究アプリケーションを高速化できます。現在、学内にはGPUを活用している研究者が大勢いて、その数はさらに増えつつあります。この中には、当大学が中心となって進めている英国のNetworked Quantum Information Technologiesプログラムに参加している研究者もいます。現在のK40 GPUに加えて、今後はK80 GPUを搭載したノードを追加し、あらゆる分野の研究をさらに支援していく予定です」(Richards博士)

導入時のダウンタイムを最小限に抑えるために、Lenovoは12ラックのアーキテクチャーを6ラックずつの2セクションとして構成し、OCFはこれを1セクションずつ導入しました。「移行時にサービスに及ぶ影響をできるだけ抑えられるよう、LenovoとOCFに配慮していただきました。学内の研究者たちに生じたダウンタイムは、合計でわずか2週間でした」

貴重な研究を支えるクラスターソリューション

Lenovoのサーバーを採用したオックスフォード大学のクラスターには、「Arcus Phase B」というコードネームが付いています。これからは、学内全体の研究を、このクラスターが支えていきます。Richards博士は次のように言います。「このスーパーコンピューターで、月当たり約120人のアクティブユーザーを支えます。コア数は5440で、従来のクラスターの1200コアよりはるかに多いのですが、消費電力は微増にとどまっています。Lenovoのソリューションは電力効率に優れており、事前に見込んだコスト削減は、既に現実のものとなりつつあります」

「処理能力がこれだけ高まったおかげで、パフォーマンスは劇的に向上しました。データシミュレーションの待ち時間は、従来の2日間から、通常時で24時間足らずへと、大幅に短縮されました。研究者たちは、これまでより複雑なアプリケーションや実験を通じて、この優れたパフォーマンスを最大限に生かしています」

LenovoのHPCソリューションを導入したオックスフォード大学では、これまでより多くの研究者が、最先端のコンピューター解析を研究ツールとして活用できるようになりました。同大学は分権型の組織構造となっていることから、学部が独自のクラスターを構築するという選択も可能ですが、パフォーマンスと経済性に優れるArcusの利用者はますます増えています。

Richards博士はこう言います。「このクラスターは使用率が高く、年間を通して常に80%程度に達しています。つまり、コンピューティングリソースに投じた予算が、実際の有益な成果へと確実につながっていることになり、コストパフォーマンスは高いと言えます。この一元的なクラスターの方が、学部独自のソリューションよりも、利便性と効率性の面ではるかに優れているという点は、周知したいところです。Lenovoのおかげで、クラスターを拡張する中でも、元の料金モデルをそのまま維持できています。我々としても、新たに加わるグループに対して、独自の小規模なクラスターではなくArcusを利用して予算を最大限に活用するよう勧めやすくなっています」

「Lenovoのスーパーコンピューターは、オックスフォード大学がその名にふさわしい優れた研究を維持するうえで、力強い支えとなっています。今や、コンピューター解析を利用できる領域は拡大しています。多種多様な分野の研究者たちが、世界への理解を深める取り組みの中で、コンピューター解析を活用しています。膨大なデータの分析にあたって、学部のデスクトップパソコンや個人のノートパソコンを使うのではなく、当部門のHPCリソースを活用すれば、データ分析のプロセスを一気に加速でき、これまでより詳細な結果を、これまでより短時間で得ることができます」

データシミュレーションの待ち時間は、従来の2日間から、通常時で24時間足らずへと、大幅に短縮されました。

オックスフォード大学
先端研究コンピューティング部門責任者
Andrew Richards 博士

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