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導入事例

米沢市

サイロ化したサーバーをLenovoのHCIで集約し運用コストを大幅に削減

導入について


システムごとに個別導入していたサーバーの非効率な運用

山形県の最南端に位置し、同県内の市町村としては4番目の面積を有する米沢市。「米沢牛」「舘山りんご」をはじめとするさまざまな特産品で全国的に広く知られるほか、上杉家縁の名所や旧跡、文化財などが多く残る「上杉の城下町」としても親しまれており、全国から多くの観光客が訪れている。

2021年5月には市役所の新庁舎が開庁し、耐震性や省エネ性、ユニバーサルデザインを取り入れるなど、現代のニーズにマッチした市民に愛され親しまれる庁舎となっている。またこれに合わせて庁内ネットワークにSDN(Software Defined Network)を新たに導入するなど、先進デジタル技術の活用も積極的に進めている。

こうした取り組みの背景について、米沢市役所 企画調整部 政策企画課 課長補佐 兼 報システム主査 髙橋尚幸氏は次のように説明する。

「人口減少局面を迎える中、職員の減少も避けられない状況となっており、より効率的な行政運営が求められています。そこでデジタル技術を活用した業務改革を進めるため、先進自治体での事例研究を積極的に行い、本市で導入可能なものから順次実施していきたいと考えています」

その代表的な取り組みの1つに、庁内で運用するサーバーの仮想化・集約化が挙げられる。もともと同市ではシステムごとに個別にサーバーを導入していたため、異なる時期に異なるベンダーから都度導入したサーバーが数多く並立していた。その結果、全体で見るとサーバーの導入コストがかさんでおり、またシステムごとに個別にサーバーを運用するための手間も掛かっていた。

さらには年々増大するストレージ容量にデータバックアップの運用が追い付いていなかったり、万が一の災害や障害に備えたDR(災害対策)の面でも不安が残っていた。加えて、サーバー導入の検討時に利用年数を見越して余裕を持たせたキャパシティ設計を心掛けていたものの、結果として将来予測が外れて過剰投資や過小投資に陥っていたケースもままあったという。


「Lenovo ThinkAgile HX」を使った仮想基盤を新たに構築

そこで自治体ネットワークサーバーが更新時期を迎えたことを機に、複数のシステム間で共有できる仮想基盤を新たに構築し、段階的に各サーバーをこの上に集約していく方針を立てた。早速サーバーの導入・運用を依頼していたNEC PCに相談を持ち掛けたところ、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)を使った仮想化基盤構築の提案を受けた。

「HCIならまずは小さな規模からスモールスタートして、その後必要に応じて柔軟に規模を拡張していけるため、無駄のない効率的なIT投資が可能だと考えました。中でもNutanixのソフトウェアを使ったHCIは、既に小規模な自治体での導入事例があったため、当市でも十分使いこなせるのではないかと判断しました」(髙橋氏)

なおNutanixのソフトウェアを搭載するHCI製品は複数のベンダーから提供されているが、米沢市が最終的に選んだのはNEC PCから提案のあったLenovoのHCI製品「Lenovo ThinkAgile HX」だった。同製品を選んだ理由について、髙橋氏は「無停止でリニアな拡張ができるため、直近1年程度で必要なリソース量からスモールスタートし、システム更新計画に従って都度ノードを追加でき、無駄にならないIT投資が可能な点を高く評価しました」と述べる。

また製品の開発元であるLenovoはグローバルで豊富な実績を持ち、かつ小規模での適用事例もあることから、十分信頼に足ると判断した。折しもコロナ禍の影響で世界的な半導体不足が発生し、サーバー製品の供給が大幅に滞る中、Lenovo ThinkAgile HXなら期限内に調達できる目途が立ったことも導入を後押しした。

さらには製品のキッティングやエージングの作業が、地元にあるNEC PC米沢事業所で行われている点も大きな選定理由の1つだったという。

「実際に工場も見学させていただいたのですが、非常に安心感がありました。また単なるシステム移行だけに留まらず、BCP(事業継続計画)の観点からDRの提案もしていただいたので、安心して導入できると判断しました」(髙橋氏)


安定性・運用性の高い仮想基盤をコストを抑えて実現

ThinkAgile HXの導入作業はNEC PCが主体となって行ったが、SDNの導入も同社が担当したこともあり、作業は極めてスムーズに運んだ。加えて、「Lenovoの担当者による強力なバックアップも心強かった」と髙橋氏は振り返る。

「HCIの導入は初めての経験だったこともあり、知識が不足している面もあったのですが、Lenovoさんに専門用語などについて質問すると非常に丁寧に回答していただき大変助かりました。また導入プロジェクトでもLenovoさんのプロジェクトマネジャーが会議をリードしてくれたり、技術者の方が設定情報などを分かりやすく説明していただいたのでとても心強かったですね」

こうしてThinkAgile HXで構築した新たな共通仮想基盤は、無事予定通り本番稼働を開始することとなった。その後もシステムは安定して稼働し続けており、現在に至るまで大きなトラブルは発生していないという。また仮想基盤の構築とあわせて新たに導入したバックアップとDRの仕組みも正常に機能しており、その導入効果について髙橋氏は「特に何も意識することなく自動的にDRの仕組みが運用されており、BCPの観点では非常に安心感が高いと感じています」と評する。

さらに、コスト削減効果も目に見えて表れているという。従来通りシステムごとに個別にサーバーを新たに構築した場合に掛かるコストを試算し、ThinkAgile HXを使って仮想化基盤の構築に掛かった実際のコストと比較してみたところ、かなりのコスト削減効果を得られたことが判明したという。


校務系システムのHCI移行で教職員の利便性が向上

なお今回新たに構築した仮想基盤には、自治体ネットワークのシステム全般のほかにも、山形県セキュリティクラウド用システム全般、教育校務系システム全般、さらにはその他の官公庁内部システムを載せる計画だという。中でも市内の公立小中学校の教職員が利用する校務系システムに関しては、NEC PCとLenovoの支援の下いち早く移行を果たした。

米沢市教育委員会 教育指導部 学校教育課 課長補佐 兼 保健給食主査 島貫雄一氏によれば、校務系システムをThinkAgile HX上の新たな仮想基盤に移行したことで、さまざまな面でメリットを享受できているという。

「今までは予算の都合上、機器導入時期に差異があり、OSサポート終了など運用面で非常に苦労していました。また物理サーバー導入時は、機器納入業者と運用サポート会社が別で障害の切り分けに非常に時間がかかるなどの問題もありました。しかしThinkAgile HXの仮想基盤に移行したことで、単一ベンダーの共通基盤上でシンプルにシステムを運用できるようになり、手間が大幅に削減できました」

実際のところ、ThinkAgile HX導入後は物理サーバーを直接利用していた時と比べ極めて安定した運用が実現できており、現場の教職員からは「体感速度が上がった」などの声が寄せられているという。

これらの導入効果を受け、米沢市では今後さらにThinkAgile HXの適用範囲を広げていきたいとしている。

「現在のHCIを拡張しつつ、物理サーバーで運用している既存のシステムについても今後の更新タイミングでThinkAgile HXのHCI環境への移行を計画しています。こうした将来構想を実現するためにも、Lenovoさんには今後とも当市の情報システムの将来を見据えた提案をぜひお願いできればと考えています」(髙橋氏)



米沢市役所企画調整部
政策企画課
課長補佐 兼
情報システム主査
髙橋尚幸 氏

米沢市教育委員会
教育指導部学校教育課
課長補佐 兼
保健給食主査
島貫雄一 氏

この課題を解決した製品・ソリューション

  • ThinkAgile HX650 V3

    信頼性と拡張性に優れたLenovoのサーバーにNutanixのソフトウェアを搭載。

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