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導入事例

株式会社イクト

ハイエンド・ワークステーションで大規模点群データの処理をストレスなく実行。ドローン事業の立ち上げにも寄与

導入について

高性能なドローン搭載型レーザースキャナーで得る数TBレベルの点群データ
データ処理に対応できるハイスペックPCが必要に

株式会社イクト
代表取締役 平井 辰憲氏

イクトは、大手企業をはじめとするお客様に、大規模・中規模の太陽光発電所開発を企画提案から設計施工、メンテナンスまでワンストップで提供できる、国内では数少ない企業です。使う電気のクリーンエネルギー率を高めることが求められ、企業の再生可能エネルギー電力調達が加速、自家消費型太陽光発電の導入が拡大しています。同社は、地域住民や環境と共生する太陽光発電所の開発に取り組んだサービスを展開しています。

太陽光発電設備の建設にあたって、まずは地形の測量が必要になります。同社では、日本初導入の計測システム「PHOENIX LiDAR SYSTEMS RANGER ULTRA」を搭載したドローンを活用し、レーザー計測を行っています。この高性能な計測システムにより、データの取得が難しい森林地帯でも、高密度で高精度な地形データを取得することができ、樹木で覆われた山林も地表面の可視化が可能になります。


イクト 代表取締役の平井辰憲氏は「世界的な脱炭素社会に向けた取り組みとして、クリーンエネルギーの活用に注目が集まっています。当社の主業務でもある太陽光発電設備の建設には、高度なシステム設計技術が必要となります。そこで欠かせないのがドローンによるレーザー計測です」と話します。

発電所の候補地が見つかったら、まずドローン測量を行い、点群データを取得。この点群データを解析して地形の3Dモデルを作成、地表面を可視化します。ドローンに搭載したレーザースキャナーから得られるデータ量は、1つの現場につき数TBレベルにもなるため、従来のデスクトップPCではとても太刀打ちできません。


「2022年3月からドローン事業へ新規参入することになったのですが、従来から使用してきたデスクトップでは、数TBにおよぶ点群データの処理に追いつかないことは明白でした。また、設計に関係する測量やデータ処理についても、外注することなく社内でこなす方針だったため、ハイスペックPCの導入は急務でした」(平井氏)

CPU、GPU性能を最優先事項にワークステーションをLenovo製品で統一

上述した課題を解消するためにイクトでは、2021年11月ごろに社内PCの入れ替えを検討し始めました。導入にあたって、同社が重要視したのは処理速度の高さです。CPU性能はもちろんのこと、点群データの統合処理および画像データ処理については、高性能なグラフィックボードが欠かせません。そこで選定されたのがThinkStation P620を筆頭とした、Lenovoのワークステーションでした。

なお、CPUには「Ryzen Threadripper PRO 3995WX プロセッサー」を搭載したモデルが選択されました。同プロセッサーはシングルソケットで最大64コア/128スレッドのパワフルな処理能力を発揮する演算効率の高い設計であり、同社の求めるスペックを十分に満たすものです。また、メモリーに32GB(DDR4-3200)を8基、計256GBを搭載、メインストレージに2TB SSDを2基搭載と、巨大なデータの扱いにも長けた仕様になっています。そして、グラフィックボードにはドローンで撮影したデータ処理などに備え、画像処理に優れる「NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti 12GB GDDR6X」を採用しました。

「比較検討当時、最高速のCPUとグラフィックボードを積んだワークステーションを要望しました。PC自体のスペックはもちろんのこと、導入時期も考慮に入れる必要がありました。ドローン事業の本格開始まであまり期間がなかったため、希望期日までにPCを納入いただけるか不安でした。これらの条件をすべて満たし、さらにコストも最適なワークステーションはLenovo以外ないとのことで、選定に至りました」(平井氏)

ちなみに、同社が業務で利用しているソフトウェアは、点群処理ソフト「Terra solid」、測量用ソフト「TOWISE」、ドローン測量で取得した写真と各データから3D地形画像を作成する「Pix4D」「Metashape」、測量業務支援ソフト「WingNeo」、CADソフト「Civil 3D」「AutoCAD」、3Dモデリングソフト「SkethUp」などです。ドローン測量で得た点群データや大量な画像の解析処理は、非常に重くなりがちです。そこで同社では、ソフトごとに切り分けてThinkStation P620を運用する方針を取り、処理の最適化を図りました。

ほかにも、解析処理されたデータも重いため、設計用途に合わせたグラフィックボード「NVIDIA RTX A6000」「NVIDIA RTX A4500」「NVIDIA T1000」が、それぞれ搭載されたLenovoのワークステーションが導入されました。

「RTX A6000およびRTX A4500については、3D CADソフトの設計やビジュアライゼーションに最適なパフォーマンスを発揮するチューニングが施されたグラフィックボードだと聞いています。ThinkStation P620で処理した測量データを元に3D CADを活用する設計業務に使用しています。ドローン事業でいまだかつて扱ったことのないデータ量を扱うにあたり、十分なスペックの設備を備えることで現場の業務の効率化を図りたいと考え導入を決めました。また、ワークステーション群をLenovo製品に統一することで、管理担当者の負担を減らし、本来業務である設計に時間を費やしたいという狙いもあります」(平井氏)

これらのワークステーション群は、2022年1月から段階的に導入され、ドローン事業が始まる前の2022年2月末にはすべての納入が完了しました。


ドローン事業開始と同時にワークステーションを運用
確かな性能でデータ処理をサポート

Lenovoのワークステーション群が納入されてから半年ほどたった現在。ドローン事業の立ち上げも順調に進み、事業も軌道に乗り始めていると言います。

「半導体不足で不安定な供給状況においても、希望するスペックのワークステーションを期日までに納入してくれました。そのおかげで、当初のスケジュール通りにドローン事業を展開するにいたりました。

特にThinkStation P620については、ドローンに搭載したレーザースキャナーから取得した点群データや画像の処理を支えるワークステーションとして活躍しています。いまでは社内スタッフもThinkStation P620を使いこなしている状況であり、データの解析も問題なく行われています」(平井氏)


ThinkStation P620の詳しい導入効果については試算できていないものの、性能や使い勝手などについては、期待通りの効果がもたらされているとのこと。

「ドローン事業が開始したばかりで、なおかつTBレベルのデータ処理を行った経験が今までなかったため、ThinkStation P620の性能比較はできていません。ですが、データの解析終了まで1週間かかるといった事態は発生しておらず、実際にThinkStation P620を利用して点群データや画像データの処理を行っている担当者からも、機能についての不満の声が挙がったことがありません。導入されたワークステーション群が適材適所で問題なく使われているのは間違いないでしょう」(平井氏)

社内PCの総入れ替えを検討
メーカー統一により対応スピードの迅速化を期待

イクトでは、ThinkStation P620をはじめとするワークステーションの活用幅を広げる方針とのこと。

「まだ導入して間もないため、ワークステーションの性能を最大限にまで発揮できていないと思います。解析処理に人員を持て余すくらいならPCをフル稼働させた方が良いという方針のもと、今後はレノボ・ジャパンや代理店の営業担当者に、最適なアドバイスを求め、ThinkStation P620をはじめとするワークステーションを最大限にまで活用できるよう検討していきます」(平井氏)

また、ワークステーション以外のノートPCについても段階的にLenovo製品にリプレースしていくことで、相談窓口を一本化しようと計画しています。


「今後、機材の拡充だったり、システムのカスタマイズだったりと、折々にニーズが変化していくでしょう。その際に、Lenovo製品で機材を統一していることで、相談もしやすくなり、対応のスピード感も増していくのではないかと思います」(平井氏)

イクトは、その革新的な事業展開がテレビや雑誌、新聞など多くのメディアに取り上げられ、全国的にも注目されている存在です。Lenovoのワークステーションは、今後も同社の中核を担うビジネスを支え続けていくことでしょう。


株式会社イクト
代表取締役
平井 辰憲氏


この課題を解決した製品・ソリューション

  • ThinkStation P620

    プロフェッショナルユーザーのニーズに応えるワークステーション。

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