「AMD製品は法人市場でも十分に通用すると確信しました。」
テクノレント株式会社
執行役員 ICT営業本部 本部長
小池 貴行氏
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導入事例
AMD搭載PCの大量導入でレンタル事業の生命線である「PC在庫」を死守
リコーリースグループの一員としてICT機器および計測機器のレンタルサービスを手掛け、直近3年間は毎年2桁成長を達成するなど急速に事業を拡大させているテクノレント株式会社(以下、テクノレント)。特にICT機器レンタルの主力を担うPCに関しては、豊富な在庫を武器に顧客の多様なニーズに迅速に応えることで市場において高い信頼を獲得している。
また単にPCをレンタルするだけでなく、ICTベンダーや通信事業者との密接なパートナーシップ関係を通じて、顧客のニーズに合わせてソフトウェアやSIMカードなどをあらかじめ搭載・キッティングした状態で提供するサービスも展開している。またアフターサービスの充実ぶりにも定評があり、レンタル会社ならではの柔軟な対応力を武器に顧客の要望にきめ細かく応えているという。
テクノレントが手掛けるレンタルビジネスは、顧客からの商品提供のニーズにいつでも迅速に応えられるよう、常に在庫を欠かさないようにする必要がある。そのために同社では常に各PCメーカーと密に情報交換を行い、将来の製品供給の見込みとユーザーの需要予測を行い、それに基づき製品調達と在庫の調整を行っている。こうした需給予測の強みが発揮されたのが、2019年から深刻化した半導体供給不足への対応だった。同社 執行役員 ICT営業本部 本部長 小池貴行氏は当時を振り返り、次のように述べる。
「2019年にWindows 10移行を目的としたPC需要が急増し、半導体CPUの供給が需要に追い付かない状況が続きました。しかし市場では、Windows 10移行が一段落すれば需要も落ち着くだろうというのが大方の見方でした。一方弊社ではその後もPC需要は続くと見て、一定数の在庫を確保しておく必要があると考えていました」
テクノレントでは主だったPCメーカーの製品を一通り商品ラインアップとして取り揃えていたが、中でもLenovo製品のラインアップは充実していた。特にノートPCに関してはLenovo製品の堅牢性の高さや、SIM搭載可能なLTEモデルの充実ぶりを高く評価し、ThinkPadをはじめとするLenovo製品を最も多く取り扱っていた。そうしたことから、供給不足への対応についても真っ先にLenovoに相談したという。
「当時、Intel製CPUを搭載したモデルはなかなか手に入らない状況でしたが、Lenovo社から『複数のCPU製品を取り扱うことによる供給の安定化』という提案をいただきました。そこで弊社でも早速、AMD搭載機がお客さまの要望に応えることができるのか、検証を行うことにしました」(小池氏)
当時から既にコンシューマ市場では広く知られていたAMD製APUだが、まだ法人市場においてはさほど認知度が高いとは言えなかった。そこでテクノレントではさまざまな顧客企業にAMD製品についてのヒアリングを行い、独自に情報収集も行った。その結果、AMD製品は法人顧客のニーズに十分応えられる製品だという手応えをつかんだという。
「大手自動車メーカーでもAMD製APUを搭載したPCを採用しており、コンシューマ市場における実績を背景に法人市場においても徐々に認知度が広がりつつありましたから、AMD製品は法人市場でも十分に通用すると確信しました。またLenovo社から検証機をお借りして弊社の技術部門で検証作業を行ったのですが、そこでもまったく問題は見付からなかったため、機能的には何の問題もないだろうと判断しました」(小池氏)
またAMD製APUはPCの価格も安く抑えることができ、顧客にもコストメリットを提供できると考えた。
中でもLenovo製PCは、同じ機種でも「Intel搭載モデル」「AMD搭載モデル」の両方をラインアップしていたため、顧客が製品を比較検討しやすいというメリットがあった。こうしたことから同社では、AMD製APUを搭載したLenovo製PCを導入し、レンタルPCの在庫を確保することにした。
これと前後して発生したのが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大だ。日本でも2020年4月の緊急事態宣言発出を受けて多くの企業がテレワーク体制に移行し、モバイル型PCの需要が一気に高まった。これによりIntel製CPUの供給不足の問題がより一層深刻化することになったが、当時既にAMD搭載機をLenovoに発注していたテクノレントでは、緊急事態宣言の直後にこれらの製品が入庫し、顧客のテレワーク需要に迅速に応えることができたという。
「当時は世界的にPCの供給状況が悪化していたのですが、一括納品ではなく入ってきたものから分納してもらうなど、商品の調達に関してLenovo社に柔軟に対応していただいたおかげで、お客さまのご要望に迅速にお応えでき、適切な判断を下すことができたと思います」(小池氏)
その後も同社では断続的にAMD製APUを搭載したLenovoのPC製品を導入し続け、2021年9月時点では数万台規模で調達している。それまで同社が扱うPC製品はIntel搭載機がほぼ100%を占めていたが、わずか1年ほどの間でPC全体の約10%をAMD搭載機が占めるまでに至ったという。
同社がレンタル商品としてAMD搭載機の導入を検討する際、最も懸念していたのが「顧客がAMD搭載機を受け入れてくれるだろうか?」という点だった。しかし小池氏によれば、これも結果的にはほぼ杞憂に終わったという。
「2020年からさまざまな企業にAMD搭載機の提案をさせていただきましたが、『AMDだからダメだ』と言われたことはほとんどありませんでした。また大手のお客さまでは、本格導入の前に検証機を使って自社で検証作業を行うことが多いのですが、その際も『検証で問題が生じたから導入を見送る』と言われたことは一度もありません。また導入後も、Intel搭載機との違いや互換性の問題が発生したという話は一切聞いていません」
むしろ、「グラフィック性能に関してはAMDの方が上ではないか?」という声も多く挙がっているという。またAMDのコストパフォーマンスの高さを評価する企業も多く、実際にIntel搭載機とAMD搭載機を比較検討し、後者のコストパフォーマンスの高さを評価して採用を決める企業も少なくない。その際には、AMD搭載機のラインアップを豊富に持つLenovo製品ならではの強みが生きているという。
「お客さまに人気の高い製品の1つにThinkPad X13がありますが、この機種にはIntel搭載モデルとAMD搭載モデルの両方がラインアップされています。この両者はCPU以外の仕様はまったく同じなので、お客さまとして製品を比較検討しやすいというメリットがあります。またAMD社が法人市場において認知度を高めるためのプロモーション活動を強化されている成果もあり、AMD製品のコストパフォーマンスの高さを評価して採用するお客さまが増えています」(小池氏)
なおテクノレントでは今後も引き続き、AMD搭載機の採用を積極的に進めていきたいとしている。CPUの世界的な供給不足は2021年に入っても続いており、PC製品の価格上昇や納期長期化は当面続くと見られている。そんな中でCPUの供給元を1社だけに限定することは、価格や納期を交渉する上で不利に働くことも考えられる。同社としてはこうしたリスクヘッジを強化するためにも、今後はPC商品の中に占めるAMD搭載機の割合をさらに増やしていく予定だという。
「現在はIntel搭載機とAMD搭載機の割合は9:1ですが、今後はAMD製品比率40%を目標に増やして、二社購買のメリットをさらに高めていきたいと考えています。また現在さまざまなICT製品がサブスクリプション型のビジネスモデルを採用する中、PCに関しても月額課金型の利用が今後増えてくると考えられます。弊社のようなレンタルビジネスはサブスクリプションモデルと親和性が高いため、今後はLenovo社やAMD社をはじめとするメーカーさんとも密接に連携しながら、より現代のニーズに合ったレンタルビジネスモデルを確立していきたいと考えています」(小池氏)
「AMD製品は法人市場でも十分に通用すると確信しました。」
テクノレント株式会社
執行役員 ICT営業本部 本部長
小池 貴行氏
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