VDI基盤として最有力候補としてあがったのが、Nutanixと、Intel® Xeon® プロセッサーを採用した「Lenovo ThinkAgile HXシリーズ」でした。
エイチ・シー・ネットワークス株式会社
管理本部
経営管理部 情報システムグループ
マネージャー
中山佳夫 氏
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導入事例
セキュリティ対策のために導入しているVDI基盤をLenovo ハイパーコンバージドで運用されている業務サーバー仮想化基盤に統合。 サーバー運用の効率化とコストの削減に成功
エイチ·シー·ネットワークス株式会社は、情報ネットワークステムの設計・構築・保守や、自社開発のネットワークアプライアンス「@Adapterシリーズ」の販売、仮想化システムの構築、ビデオ会議システムをはじめとするユニファイド コミュニケーション システムの機器導入・インテグレーションなど、ネットワーク関連のソリューションを幅広く提供するネットワークシステムインテグレーターだ。その顧客は多くの一般企業はもとより、大学などの文教、官公庁、医療機関など多岐にわたる。
同社では、営業担当者が社外に持ち出すPCの紛失・盗難による情報漏えい対策として10年ほど前からVDIを導入し、運用を行ってきた。同社情報システムグループのチームリーダー、菊池氏は「VDIの仕組みは、各世代でさまざまな仕組みを使ってきました。また、サーバーも自社運用による3Tierのサーバー、その後は日立グループの仮想化基盤、そしてDaaS(Desktop as a Service)と変わってきています。その時、その時の事業環境や技術的な理由によって最適なものを選択してきました」という。
前回のリプレースでDaaSを選択したのは、「日立グループから独立するのにともない、日立グループの共通基盤の利用が継続できなくなることがきっかけでした。情報システム前任者により、以前のように自前でVDI基盤を用意することも検討しましたが、限られた時間の中で移行する必要があったため、情報システムグループの人的リソースとシステム導入に要するリードタイムを考えると、VDI用に3Tier構成の仮想化基盤を運用するには負荷が大きすぎるという判断で、DaaSにアウトソーシングする選択をしました」(菊池氏)。
このような経緯でDaaSを利用していた同社では、3年ほど経過したところで見直しを迫られることになる。
「当社が利用していたWindows10 のDaaSのサービス提供事業者から、サービスの停止がアナウンスされました。リプレース先としてサーバーOSの仮想デスクトップ利用を提示されたのですが、当社の業務アプリがサーバーOS上では動作しないため、その事業者でのサービス利用継続は断念し、VDIの運用を根本的に見直すことにしました」(中山氏)。
継続して別のDaaSを利用するという選択肢もあったが、サービスの継続性に疑問符がついたことやそのたびに移行の工数がかかる点、DaaSでは設定やリソースの割り当てなどの自由度が限定的であるという課題と、中長期的な利用ではコスト面でも課題が出てくるDaaSのデメリットが問題となった。
一方で、HCIの登場により仮想化基盤でも容易にVDIの運用ができる環境が整ってきたこともあり、オンプレミスでのVDI基盤を構築する方がメリットが高いという結論になった。
VDI基盤として最有力候補としてあがったのが、業務サーバーの仮想化基盤として導入された、Nutanixのソフトウェアと、Intel® Xeon®プロセッサーを採用したLenovoのHCIアプライアンス「LenovoThinkAgile HXシリーズ」であった。
業務サーバーの仮想化基盤としてLenovo ThinkAgile HXシリーズを選択した理由として、中山氏は次のように語る。
「当社では、2013年ぐらいからNutanix製品の取り扱いを開始し、お客様に導入する仮想化基盤として数多く取り扱ってきました。そのため、従来の3 Tierとは比較にならないほど容易に仮想化基盤を構築し、運用できることも良く理解していました。
そこで、自社の業務サーバー向け仮想化基盤のリプレースには、迷わずNutanixによるHCIを導入しようと考えていました。そこで問題となるのがハードウェアです。Nutanixのハードウェアはもちろんのこと、各サーバーメーカーからもNutanixのソフトウェアを搭載したHCIが登場していたので、比較・選定を行いました。
その中で、ハイパーバイザーが格納される領域の堅牢性があり、また、ハードウェアの信頼性や、保守体制の面から見てLenovo ThinkAgile HXシリーズがベストの選択と判断し、導入することを決めました」。
業務サーバー向け仮想化基盤はLenovo ThinkAgile HXシリーズを4ノードで構成して導入。2019年8月に稼動を開始した。
HCIにより仮想化基盤の運用が格段に楽になったこともあり、DaaSの移行先としてHCIを使ったオンプレミスの基盤が最有力候補となった。
「基盤をどう構築するかという観点では、サーバー用とVDI用にそれぞれクラスターを用意するという考え方もあります。クラスターを分ければ運用負荷が高まり、また統合すればサーバーの負荷は大丈夫なのか、という懸念もありますが、当社ではNutanixとLenovo ThinkAgile HXシリーズの組み合わせであれば、必要に応じてスケールアウトすれば対応できると判断し、同じクラスターに載せることに決めました」(中山氏)。
仮想化基盤を統合したのは、コスト面での理由もある。「共通の基盤で運用すればリソースを有効活用できるので、ハードウェアへの投資は最小限に済ませることができます。この点はまさにHCIのメリットの一つと言えるでしょう」(中山氏)。
最終的に、既存の仮想化基盤にLenovo ThinkAgile HX を2ノード追加して6ノード体制とし、VDIの基盤を載せて稼動を開始した。「追加作業はいたって簡単で、翌日には基盤として使えるようになっていました。さすがHCIの本領発揮という感じでした」と、菊池氏は語る。
「VDI導入後の運用管理も非常に簡単で、自動運転に近い状態」だという。同社情報システムグループ チームリーダーの菊池氏は「DaaSとは異なり、基盤はこちらで管理しているわけですが、Nutanix Prismによって統合管理されているので、なにかトラブルが生じた場合はアラートが上がりますし、 Nutanix Prismの画面上で一元的に確認・対応ができますので、3 Tierのような管理の手間はほとんどかかりません。その点ではオンプレミスだから大変、ということはほとんどないと言えると思います」。
バックアップ運用もかなり負荷が軽減されているとのことだ。
「バックアップも別途バックアップサーバーを用意することはなく、Nutanixのスナップショット機能を使って自動で行っています。数世代のスナップショットを残すように設定しており、過去、実際にVM単位でリカバリをかけたことが何度かありますが、これもNutanix PrismのWebコンソールより簡単な操作でできるので、バックアップとリカバリに関しても大幅な負荷軽減が実現できています」(菊池氏)。
コロナ禍によるテレワーク対応は、VDI環境にも影響を与えているといえる。菊池氏は「これまでは営業担当者と一部の幹部社員がVDIを利用していましたが、テレワークの広がりによってユーザーが増えつつあります。また、Webミーティングシステムは動画処理やストリーミングデータが流れることからVDIにとって負荷が大きいため、ノードの追加を検討しています。ただ、Lenovo ThinkAgile HXなら増設は簡単なので、システム面から見ての不安は全くありません」と語る。
また、中長期的な基盤の更新についても、「従来のようにハードの老朽化にともなうストレージデータの移行作業という考え方はなくなり、新しいノードを追加してから古いサーバーをリタイヤさせる、いわばローリング アップデートのような形をとることで、常にプラットフォームへ最新のデータを維持できるのも大きなメリットです」と、菊池氏は語った。
今後について、「これまで当社で扱ってきたLenovoやNutanixの知見をもとに社内システムを構築し、限られた人員で仮想化基盤をオンプレミスで運用することを実現できました。コロナ禍のリモートワーク拡大でVDIを検討するお客様が急激に増えていますが、VDI基盤の導入は正直ハードルは低くありません。VDI専用の基盤を導入することも一つの選択肢ですが、既存の3 Tierの仮想基盤をHCIで刷新し、その上でVDIを運用することで、導入と運用の負荷を一気に削減できます。今後は、当社の知見を生かし、HCNETのテレワークソリューションをお客様にご提供できればと考えております」(中山氏)。
高い信頼性と、HCIならではの高い保守性によって、オンプレミスながらも運用負荷を大幅に低減したLenovo ThinkAgile HXによる仮想化基盤が、エイチ・シー・ネットワークス株式会社のビジネスを力強く支えていくことになる。
VDI基盤として最有力候補としてあがったのが、Nutanixと、Intel® Xeon® プロセッサーを採用した「Lenovo ThinkAgile HXシリーズ」でした。
エイチ・シー・ネットワークス株式会社
管理本部
経営管理部 情報システムグループ
マネージャー
中山佳夫 氏
Nutanix PrismのWebコンソールより簡単な操作でできるので、バックアップとリカバリに関しても大幅な負荷軽減が実現できています。
エイチ・シー・ネットワークス株式会社
管理本部
経営管理部 情報システムグループ
チームリーダー
菊池秀臣 氏
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