「ThinkPadは、信頼性の高さやキータッチの絶妙さなど高く評価すべき点がいくつもあります。かつてのThinkPadは、どちらかと言えば、“高級品”で、当社のような非IT系の一般企業が、1,000台以上導入するPCとしては価格面での敷居が高いと感じていました。ところが、近年のThinkPadは価格も下がり、コストパフォーマンスの面で他社製品を凌駕し始めています。そこで今回は、思い切ってレノボ製品の導入に踏み切ったのです」
株式会社エスクリ IT統括部 部長
松尾 康央氏
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導入事例
ブライダル業界で急成長中の“風雲児”が
全社共通PCにレノボ「ThinkPad」を選ぶ
エスクリは、挙式・披露宴の企画・運営など、いわゆるブライダル事業を中核とする企業として2003年に設立されました。以来、急成長を遂げ、設立7年目の2010年には上場も果たしています。2017年度通期(2018年3月期)も前年度比7.5%増の317億を売り上げ、その売上規模は5年前(2013年度通期)の約2.4倍に相当します。
そうした同社の強みの一つは、全国の大都市を中心に23施設の挙式・披露宴会場を直営している点です。また子会社を通じて地方都市に9施設の式場を運営しているほか、ハワイ、台湾に現地法人を設立しインバウンド、アウトバンドにも注力。ハワイでは日本人に人気の高い海外のウエディングプロデュース会社とも専売契約を結んでいます。
国内の式場については、公共交通機関からのアクセスの良さを徹底追求。2010年には業界初となるオフィスビル内の式場をオープンしています。さらに、挙式・披露宴の列席者がSNSに記念写真を投稿することを見越し、“写真映え”のする「フォトジェニック」な式場を用意したり、有名ゲーム/有名キャラクターとのタイアップしたウエディングプランを展開したりと、時代の流れ・市場ニーズをとらえた斬新な企画を次から次へと打ち出し、日本のブライダル業界に変革のうねりを常に巻き起こしています。
「そうした当社の成長・発展の原動力は、人の力──つまりは、当社のスタッフの力にほかなりません」と、エスクリ グループ広報室マネージャーの村井美登里氏は語り、こう続けます。
「エスクリという社名の由来は『STAFF CREATE(スタッフ クリエイト)』。つまり、さまざまなスタッフの創造力や能力、専門性を最大限に引き出して成功を収めていくという意味です。そうした創業以来の理念の下、当社は結婚式のプランニングはもとより、衣装・美容・装花・料理など、高い専門性を要するサービスを、すべて社内のスタッフが担うという方針を目指しています。披露宴での配膳スタッフにしても、基本的には当社が直接雇用しています。学生アルバイトの経験を積んで卒業後に正社員として就職するケースも少なくありません」
村井氏によれば、このような人中心・自前主義のワンストップサービスのあり方が、エスクリの差別化の源泉であり、このスキームの中で、顧客の要望をすべての関係スタッフが共有し、それぞれの力を集結させることで、「一体感のある、最高品質のサービスが提供できるというのが当社の考え方です」と、同氏は付け加えます。
顧客の要望を、部門を横断するかたちで関係スタッフ全員が共有し、一丸となって顧客満足度や顧客体験の向上に努める──。その世界を実現するためには、当然、全社的な情報共有のためのITが必要とされます。
その仕組みとして、エスクリでは、『アニクリ』と呼ばれるWebサービスを提供しており、同社のスタッフは貸与されたノートPCを通じてこのサービスを日常的に活用しています。
「アニクリは、当社のスタッフにとって、非常に重要な顧客関係管理(CRM)のシステムです。このサービスを通じて、各部門の担当者は、顧客ごとの要望を把握し、それに基づいて自身の専門性を活かした業務を遂行していきます」(エスクリ IT統括部 部長、松尾康央氏)。
アニクリはまた、顧客が使うポータルサービスの役割も担っており、このサービスを通じて同社の顧客は、結婚式当日までのToDoやゲストの管理、披露宴の席次の設定・変更など、手間のかかる段取りを簡単に済ますことが可能です。
このアニクリのほかにも、エスクリのスタッフは、さまざまな業務/コミュニケーションにノートPCを活用しており、遠隔地のスタッフとの打ち合わせにはWeb会議システムなども積極的に利用しています。また最近では、マイクロソフトの「Office 365」も全社導入、コミュニケーション/コラボレーションの基盤もさらに強化しています。
このように、エスクリにとってノートPCは、顧客のために各部門のスタッフが一体となって働くために不可欠なツールです。それだけに、ハードウェアのトラブルで業務に支障が出ないようにしなければなりません。
「そのため当社では、かねてから同一機種のノートPCに社内標準機を絞り込み、運用管理の負荷を下げ、品質を担保するという施策を講じてきました。そのうえで、3年スパンのレンタルでノートPCを導入し、レンタル切れを迎えたPCから順次新しいモデルにリプレースするという方式を取ってきたわけです。現在は、スタッフに貸与しているものと会議室などに常備しているものを合わせて1,250台のノートPCを運用しています」と、松尾氏は説明を加えます。
エスクリが社内標準のノートPCとして長く使用してきたのは、あるメーカーの製品で、軽量さを一つの売りにしていました。その軽さについては、同社の要件を満たしていましたが、ここ数年来、同製品の品質に対する不満が続出していたと、IT統括部シニアエキスパートの鈴木隆広氏は打ち明けます。
「特に苦情が多かったのは、バッテリ駆動時間の短さです。実際、現場の不満を受けて調査したところ、フル充電の状態から1時間も経たずにバッテリが切れてしまう個体が数10台近くありました。これでは、ACアダプタを携行し忘れると、社内会議ですらノートPCがバッテリ切れで使えなくなるおそれがあります。苦情が出るのも当然と言えました」
この問題をバッテリの不具合と考えた鈴木氏らは、メーカー側に対応を求めました。ところが、メーカー側の回答は、『それは不具合ではなく単なるバッテリの劣化で仕様の範囲内』というもの。「そのため、仕方なく、有償のバッテリ交換で急場をしのいできたのです」(鈴木氏)。
こうした製品/サポートに対する不満から、IT統括部は社内標準PCとして、新たな製品を採用する方針を固め、製品選定を本格的に始動させました。その選定に当たり、同社が設定した主たる要件は、14インチクラスの画面を持ち、かつ軽量で可搬性に優れ、バッテリ駆動時間が可能な限り長時間であるという点です。加えて、無線LANモジュールがローミング機能を備えていることや、Web会議での利用を想定し、Webカメラの位置が画面上部にあることなども要件に含めました。
この要件の下、エスクリが候補として絞り込んだのはレノボを含む有力PCメーカー3社の製品です。それらの比較検討のすえに、同社はレノボの「ThinkPad T470s」の採用を決めました。その理由について、松尾氏はこう明かします。
「大きな理由は、ThinkPadは国内開発されており“日本品質”に徹底していること、サポート拠点も国内にあることです。これにより、製品の納期やサポート面で、きめ細かな対応が期待できると判断しました」
さらに同氏は次のように続けます。
「もう一つの理由は、ThinkPadに対する信頼感です。ThinkPadは性能や堅牢性、さらにはキータッチの絶妙さなどに対する評価が高く、その点も、当社によるThinkPad採用を後押したのです」
ThinkPad T470sの採用を決めたエスクリでは、2018年1月から導入をスタート。すでに約150台のThinkPad T470sをレンタル導入し、従来PCのレンタル切れを迎えたスタッフに対する貸与を完了させています。
「ThinkPad T470sは、これまで使っていたノートPCより薄く、画面が高精細で、キータッチも良好です。バッテリの持ちも、従来PCとは比べものにならないぐらいよくなっています。これらならば、少なくとも会議中にバッテリが切れ、周囲の不興をかうといったトラブルは避けられるはずです。また、無線LANのローミング機能のサポートにより、社内の移動中にネットワークが切断される心配もありません」(鈴木氏)。
一方の松尾氏は、ThinkPadに対する評価を次のように話します。
「今回導入した150台のThinkPad T470sについは、まだ活用を始めたばかり。長く使い続ける中で本当の評価が下せると考えています。とはいえ、このノートPCに対する社内の評判は上々で、トラブルの報告は一切受けていませんし、苦情もありません。むしろ、レンタル切れを待たずに『自分のPCも早くThinkPadに切り替えて欲しい』といった声が多く寄せられています。今後、大きな問題が起きなければ、社内の全台をThinkPadにリプレースすることも検討しています」
さらに同氏は、こう話を締めくくります。
「ノートPCを含め、社内のITはすべて業務の効率化や業務負担の低減、ひいては働き方改革を下支えするために存在します。ThinkPadにも、その役割を担ってくれることを期待していますし、そのための能力が十分に備わっていると考えています」
「ThinkPadは、信頼性の高さやキータッチの絶妙さなど高く評価すべき点がいくつもあります。かつてのThinkPadは、どちらかと言えば、“高級品”で、当社のような非IT系の一般企業が、1,000台以上導入するPCとしては価格面での敷居が高いと感じていました。ところが、近年のThinkPadは価格も下がり、コストパフォーマンスの面で他社製品を凌駕し始めています。そこで今回は、思い切ってレノボ製品の導入に踏み切ったのです」
株式会社エスクリ IT統括部 部長
松尾 康央氏
「ThinkPadが優秀であることは以前から知っていましたし、今回採用したThinkPad T470sについても、これまで用いてきたノートPCに比べて信頼性、携帯性、バッテリ駆動時間、画面の美しさ、キータッチなどすべての面で優れています。ThinkPadブランドを信頼して良かったと改めて感じています」
株式会社エスクリ IT統括部 シニアエキスパート
鈴木 隆広氏
「当社の場合、スタッフの6割程度が女性ですので、社用のノートPCはやはり可能な限り軽いことが条件です。加えて、結婚披露宴の現場や会議の場、あるいは出先での利用を考えれば、バッテリ駆動時間は長ければ長いほど助かります。その点で、薄くて軽く、バッテリの持ちもいいThinkPad T470sは、当社の業務にフィットしたPCと言え、業務の効率化にも大きく貢献してくれると期待しています。私個人も早くThinkPad T470s が利用できる順番が回ってくることを心待ちにしています」
株式会社エスクリ グループ広報室 マネージャー
村井 美登里氏