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導入事例

株式会社マイクロアド

4億ユニークブラウザの行動データを分析する「次世代マーケティング基盤」を安定稼働させるには

導入について

2007年にサイバーエージェントのインターネット広告部門を分社化して設立されたマイクロアド。国内を代表する大手インターネット広告会社の一角を占める同社は、アドプラットフォーム事業とアドネットワーク事業を中心にビジネスを展開しています。

アドプラットフォーム事業は、最先端ディスプレイ広告配信技術によるDSP(Demand-Side Platform)の「MicroAd BLADE」、およびSSP(Supply Side Platform)の「MicroAd COMPASS」を提供しています。MicroAd BLADEは、国内最大規模の売上シェアを誇り、代表的なアドエクスチェンジやSSPと連携してPC・SP累計で月間約1550億インプレッションの広告枠を確保。約4億ユニークブラウザという国内最大規模のオーディエンスデータを保持しており、見込みユーザーに対して効果的に広告配信ができるといいます。

株式会社マイクロアド
システム開発部 シニアマネージャー
元井 正明 氏

MicroAd COMPASSは、アドネットワーク広告やDSPより提供されるRTB広告、メディア運営者が独自に販売・運営する純広告などを一元的に管理し、リアルタイムで広告収益の最大化を実現する独自のフルフラットオークション機能を搭載しています。

一方のアドネットワーク事業は、自社サービスの「MicroAd PIXEL」が保有するオーディエンスデータによる行動ターゲティングやリターゲティングなどの技術を利用した広告配信事業を展開。日本国内におけるリーチ数は月間約6500万ユニークユーザー、約90%以上に配信できる国内最大級の規模を誇っており、近年は中国、インド、東南アジアを中心に海外市場にも積極的に進出しています。

マイクロアドが目指すのは、“誰でも簡単に広告を出せるプラットフォーム”。大規模企業から個人商店に至るまで、どんな企業でも簡単に使えるプラットフォームの開発を進めています。1インプレッション単位で広告の買い付けができるようになった今、広告の世界はより細分化と一般化が進むと同社はみており、変化に対応できるサービスを提供したいと考えています。

マイクロアドが12月にリリースした次世代マーケティング基盤「UNIVERSE」

UNIVERSEでは、CRMデータをはじめ、決済情報、商品・サービス情報、ポイント・クーポン情報、POSデータ、Webマーケティング実績やメール/メールマガジンなどのMA(マーケティングオートメーション)データなど、企業が保有するさまざまな情報を単一のIDに統合・管理できます。そこにマイクロアドが保有する4億ユニークブラウザ分のPCとスマートフォンの行動データを統合的に結び付けることで、一意のIDレベルでユーザーの行動を緻密に分析する機能が提供されているのです。また、マイクロアドをハブとしてデータ保有会社と連携し、それらのデータも含めて横断的に集約することができる環境も実現しています。

UNIVERSEをはじめとするマイクロアドのシステム基盤開発を統括するシステム開発部 シニアマネージャーの元井正明氏は、「これまでは単一のデータソースから一面的な顧客分析しかできなかったのですが、UNIVERSEなら複数のデータソースから多面的に分析でき、正確性の高い顧客ペルソナを把握していけるようになります」と、メリットを説明します。

新サービスの立ち上げを契機にシステム基盤の更改を検討

元井氏によれば、UNIVERSEを立ち上げる際に最も重視したのが、サービスのためのシステム基盤の構築でした。

「2007年の創業時から主にHadoopを利用しており、現在は収集したデータの利用目的に応じて10クラスタのさまざまなHadoopシステムを運用しています。ハードウェアはマルチベンダー環境で利用していますが、特に高速I/Oが求められるキーバリューストアなどの一部システムには『System x』を採用してきました」(元井氏)

UNIVERSEのシステム基盤も、当初は既存Hadoopを利用して、ノードを増強することで対応する計画でした。しかし、企業向けの膨大なデータを扱うことから、これまで以上に高い性能と可用性を担保することが要件とされたのです。

「複雑化し、10クラスタを超えるあたりからHadoopシステムの運用管理も課題として挙がっており、クラスタの集約・統合に取り組む必要性もありました。そのため、これ以上ノードを増やすわけにいきません。また、既存システムを最新版にバージョンアップして継続利用するには、現行のデータを全面的に入れ替える作業が発生することも判明しました。そこで、UNIVERSEのシステム基盤の構築を機に、全てのシステム基盤を刷新する方針に切り替えることにしました」(元井氏)

PoCで証明された「パフォーマンス」と「使い勝手」によりレノボのx86 サーバの採用を決定

株式会社マイクロアド
システム開発部
伊東 直弥 氏

データを一元的に収集・分析するデータ活用プラットフォームを探していたマイクロアドが行き着いたのが、Hadoopをさらに進化させバッチからリアルタイムの処理まで1つのプラットフォームでまかなえる「MapR」でした。そして同時にハードウェアとして同社が選んだのが、拡張性や可用性に優れ、性能や信頼性が求められる業務で実績がある、インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v4 製品ファミリーを搭載した「Lenovo System x 3650 M5」です。

「Lenovo x86 サーバは、以前から利用していたので運用に慣れており、信頼しています。何より優れたコストパフォーマンスが決め手になりました。他社のサーバとは違って、小容量のフラッシュストレージ(Fusion-io)が利用できる点も当社のニーズにぴったりでした」(元井氏)

Lenovo x86 サーバとMapRによるシステムについては、システム開発部の伊東直弥氏がPoC(Proof of Concept=概念実証)を担当しました。

「PoCでは、約1TBのデータを対象にしたクエリ処理のパフォーマンスを計測し、既存システムとのデータ転送も含めた検証を行いました。想定通りのパフォーマンスが得られ、使い勝手も良いことから、Lenovo x86 サーバとMapRの採用を決めたのです」(伊東氏)

「既に容量がひっ迫しつつあるデータウェアハウスの一部は、Lenovo x86 サーバとMapRの新たな基盤に移行できるだろうと考えています」(元井氏)

レノボの保守サポート体制にも満足

約半年をかけて入念なPoCを実施したのち、マイクロアドは2016年12月にインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v4 製品ファミリーを搭載したLenovo System x3650 M5 6台をベースに構築されたUNIVERSEサービスを提供開始。「今後は、現行システムを少しずつ新システムへ移行し、複雑化して運用負荷が高いHadoopシステムのクラスタをできるだけ減らしたいですね。それに応じて機器や運用のコストを大幅に削減できるだろうと期待しています」(元井氏)

Lenovo x86 サーバは、マイクロアドのサービスに不可欠な基盤として存在感を増しつつあるようです。
「PoCの際には、レノボが当社とMapRの間に立って支援してくれたことで、作業をスムーズに進めることができました。Lenovo x86 サーバには満足しており、万一の不良でも保守サポートが迅速に対応してくれる点を評価しています。パーツがコモディティ化されているIAサーバはどうしても故障がつきものですが、レノボはその点、故障があってもすぐに対応してくれました。当社では今後もMapRを利用したシステムを順次拡張していこうと考えています。レノボにはこれからも当社のパートナーとして、MapR環境を構築する際の具体的な構成を提案してもらえることを期待しています」(伊東氏)

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