導入事例
株式会社白組

映画史に残る大ヒット映画のVFX制作にThinkStation P620をフル活用。世界を驚かせた映像を短期間で完成。
- 業種 デジタルコンテンツ
- キーワード 動画編集 , ワークスタイル
- 製品カテゴリー ワークステーション
- 企業規模 中小企業のお客様(11〜999名)
概要
1974年に設立され、アニメーション・実写映画の企画・制作やVFX(ヴィジュアルエフェクト)制作を手がけ、日本を代表する作品を次々と世に送り出してきた白組。
映像制作のための標準機としてLenovoのワークステーション「ThinkStation Pシリーズ」を活用してきた同社では、日本映画史に残る記録的ヒットを飛ばした大作映画のVFX制作用として「ThinkStation P620」を導入。
世界を驚かせたVFX映像を短期間で完成させることに成功しています。

課題
大作映画のVFX制作を手がけるにあたり、それまで使用してきたワークステーションの性能では、「水の表現」や「建物破壊シーン」などのリアルで緻密な映像表現に必要な大規模流体シミュレーション、レンダリングが行えないという問題に突き当たった。
ソリューション
VFX制作用ワークステーションとして、シングルCPUで高い処理性能を発揮するAMDのマルチコアプロセッサー「AMD Ryzen Threadripper PRO」を搭載し、効率的な冷却機構により可用性にも優れた「ThinkStation P620」を導入した。
導入効果
数十TB(テラバイト)規模の流体シミュレーション、レンダリングを連日実行しても、ThinkStation P620は安定稼働を維持。結果として、世界を驚かせた大作映画のVFX制作を短期間で完遂することに成功した。
導入について
大作映画のVFX制作に向けた壮大でリアルな映像表現を可能とする高性能ワークステーションを選択
白組は1973年の設立以来、数々のアニメーションや映画、VFX、CGなどの映像を企画・制作してきた企業です。同社は、日本の映画史に残る記録的なヒットを飛ばした大作映画のVFX制作も手がけ、同作のVFX映像は、そのリアルさと緻密さで世界中のオーディエンスやクリエイター、映画関係者たちを驚愕させ、世界的なアワードを獲得するに至っています。
そのVFX制作に取り組むに際して、白組が2022年に導入したのが、AMDのマルチコアプロセッサー「AMD Ryzen Threadripper PRO」を採用したLenovoのワークステーション「ThinkStation P620」です。

プロフェッショナルユーザーのニーズに応える
パワフルなプロフェッサーを搭載
「当社が手がけることになった大作映画のVFX制作では、“水の表現”や“建物破壊シーン”などをリアルに表現するために、データ量にして1シーンで数十TBクラスの大規模シミュレーションとレンダリングを高速に、かつ安定的に処理することが必要とされました。ただ、そのような大規模な計算処理(特にシミュレーション)を高速に実行できるワークステーションは当時の当社にはなく、それまでVFX制作に使っていた他社の製品では、処理に時間がかかるどころか、処理の実行自体が行えないような状況でした。その問題を解決すべく、ThinkStation P620を導入したのです」(白組 システム部長 入田 尭光氏)白組がThinkStation P620の導入を決めた理由の1つは、CPUにあります。
「メニーコアとハイクロックを両立しながら、大容 量メモリーもサ ポ ートできるAMD Ryzen Threadripper PROは、大規模シミュレーションに適したもので、コストパフォーマンスにも優れています。ThinkStation P620は、大作映画のVFX制作に向けて新たなワークステーションの導入を検討していた2022年当時、AMD Ryzen Threadripper PROを標準搭載した唯一のワークステーションでした。そこで、このワークステーションを導入製品の最有力候補に設定して検証機を使い性能を入念に点検しました。結果として、期待どおりの性能が発揮されることが確認でき、導入を決めました」(入田氏)
Lenovoワークステーションの安定性・信頼感も採用の決め手に
白組では当初、デュアルCPU構成のワークステーションの導入も検討しました。ただし、シミュレーションに使用するソフトウェアやOSがマルチCPUの性能を生かし切る設計になっていなかったことから、CPUを1つから2つにしても性能がリニアに上がらず「最大で1 CPU時の1.5倍程度にしかならなかった」といいます。
「性能検証の結果として、デュアルCPU構成のワークステーションは 、当 社 にとってコストパフォーマンスに優れた製品とはいえず、プロセッサー単体で高い処理性能を発揮するAMD Ryzen Threadripper PROベースのワークステーションを選ぶのが正解と判断しました」(入田氏) また、白組では制作用ワークステーションの標準機として「ThinkStation P330 Tower」などを活用し、その信頼性、耐久性を高く評価してきました。そのこともThinkStation P620の導入を決める要因になっています。
「今回のワークステーション選定では特に安定性を重視しました。映像制作というのは数多くのクリエイターや組織が参画することから、1日の遅れが全体の遅れにつながるため、スケジュールの遅延は絶対に許されません。過去には制作現場でハードに使用していると機器故障をよく起こしていましたが、Lenovo製品には、そうしたトラブルがほとんどないため、その安定性には高い信頼を置いていました」(白組 システム部 濱中卓也氏)
大規模シミュレーションの高速実行により大作映画のVFX制作を短期間で完遂
ThinkStation P620を導入した白組では、上述した大作映画のVFX制作を短期間で完遂しました。
「あれだけ緻密でリアルなVFX映像を、数ヶ月間で仕上げるというのは、驚異的なスピードといえます。それは制作チームの能力の高さ、生産性の高さを示すものであると同時に、ThinkStation P620が期待どおりの処理性能と耐久性を発揮してくれた結果だと見ています」(入田氏)
大作映画のVFX制作では1シーンで数十TBクラスの大規模なシミュレーション、レンダリングが連日、繰り返し実行されました。それでも、ThinkStation P620は安定した性能を発揮し続け、制作チームの作業を支えました。
「大規模なシミュレーションやレンダリングの処理では、CPU、あるいはGPUが数時間フル稼働する状態になります。そのため、空冷の熱設計がうまくできていないワークステーションは、熱過熱防止のシステムが作動し、急に計算が遅くなったり、エラーやクラッシュを発生させたりすることがよく起きます。それに対してThinkStation P620は、連日の膨大な処理負荷に耐え、機器故障をまったくといってよいほど発生させず、性能に対する制作現場からのクレームもありませんでした。これは熱設計の絶妙さによるもので、それがもたらす製品の安定性と耐久性の高さには改めて感心させられました」(入田氏)
制作の生産性を支えるThinkStation P620にこれからも期待
ThinkStation P620では、処理の安定性、耐久性に加えて静音性にも優れています。この特徴も制作現場の生産性の維持にプラスの効果があるようです。
「ThinkStation P620を含むレノボのワークステーションは、一様に静かでファンの音も耳障りではありません。以前使用していた他社のハイスペックなワークステーションは、排気音がうるさく、作業への集中の妨げになるといった声が制作現場からよく聞かれました。そうした問題がない点もThinkStation P620の優位性の1つといえます」(濱中氏)
濱中氏の言葉を踏まえ、入田氏はThinkStation P620の導入効果と今後への期待感を込めて次のように締めくくりました。
「静音性もそうですが、高い処理性能を安定して発揮し、制作現場の作業やクリエイティビティに負のインパクトを与えないことが、我々がワークステーションを選ぶうえで最も重視している点です。その点で、ThinkStation P620は、私たちが期待したとおりのパフォーマンスを示してくれています。今後も制作の現場をしっかりと支えてくれるでしょうし、同製品のさらなる導入も視野に入れています」(入田氏)
この課題を解決した製品・ソリューション
ThinkStation P620
パフォーマンスを追求したデスクトップワークステーション。
お客様プロフィール
お客様 |
株式会社白組 |
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URL |
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所在地 |
〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋 |
設立 |
1974年8月28日 |
事業内容 |
TV CFのアニメーション・VFXの企画制作、劇場用長編実写映画・アニメーション映画・テレビ用実写番組・アニメーション番組の企画制作、劇場用映画のVFX・タイトル制作、見本市・博覧会などの大型特殊映像の制作、CGを使用した映像の企画制作 |