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導入事例

パラマウントベッド株式会社

介護施設における見守り支援システムの長期運用を支えるIoTエッジサーバー「ThinkEdge SE30」を導入。“手間いらず”の24時間365日連続稼働で介護現場の業務負担を軽減。

概要

医療・介護用ベッド分野で国内トップクラスのシェアを誇るパラマウントベッド。

同社は、介護施設向けの見守り支援システム「眠りCONNECT」をリリースするにあたり、その中核となる睡眠計測センサーからのセンサーデータの収集を担うIoT エッジサーバーとして「ThinkEdge SE30」を導入しました。

これにより、24 時間365 日の連続稼働による高信頼のシステム運用を実現しています。



課題

介護施設向けの見守り支援システム「眠りCONNECT®」をリリースするにあたり、中核となる睡眠計測センサーを活用したアプリケーションのモデルチェンジを行った。そこで求められたのが、24時間365日ノンストップの連続稼働が可能なIoTエッジサーバーだった。

ソリューション

施設内の複数台の睡眠計測センサーからWi-Fi経由で取得した各種センサーデータを中継し、眠りCONNECTに集約・連携させるIoTエッジサーバーとして「ThinkEdge SE30」を導入。

導入効果

マスターイメージの作成からインストール、SIMの実装まで一貫して対応するLenovoのキッティングサポートにより、導入作業の負荷が大幅に軽減。5年間の保守対応により、睡眠計測センサーの耐用年数に合わせた長期間にわたるサポートが可能になった。

導入について

介護現場の見守りとケアの品質向上スタッフの業務負担軽減に貢献し続ける

すべての人に向けて快適な睡眠環境を提供しているパラマウントベッドは、長年の研究成果をもとに健康事業領域をさらに強化。疲れたから眠るのではなく、明日の行動の質を高めるために積極的に睡眠するという新しい常識を、世界に向けて発信しています。

そんなパラマウントベッドが、1947年の創業時から注力し、国内トップクラスのシェアを有するのが医療・介護用ベッド事業です。さまざまな製品・サービスの開発で培った課題解決力を生かし、安全・安心な療養環境づくりをサポートしています。

2023年10月より提供を開始したのが、高齢者介護施設向けの利用者見守り支援システム「眠りCONNECT」です。すでに2009年5月から発売を開始し、累計で約7,000施設への納入実績(2024年3月末時点)を誇る睡眠計測センサーとセットで利用することで、ケアプランの改善やスタッフの業務負担軽減、利用者の生活習慣の改善などに寄与します。その仕組みの概要は、次のとおりです。

まず睡眠計測センサーによって、利用者の睡眠状態をリアルタイムに判定します。このセンサーの最大の特徴は非装着・非侵襲であること、すなわち利用者の身体に直接装着することなく体動(心拍、呼吸、寝返りなど)を検出できる点にあります。マットレスや布団の下に敷いておくだけで、睡眠状態を把握できるのです。

単純にベッドを作るだけでなく、先進技術と優しさが調和した空間を演出している

営業本部 デジタルソリューション事業部 主任の田中 寛之氏は、「非常に高度な技術が要求されますが、当社には睡眠に関わるさまざまな課題と向きあい研究開発に取り組む『パラマウントベッド睡眠研究所』という専門組織があり、そこで長年にわたって研究してきた独自のアルゴリズムによって睡眠計測センサーは実現されました」と話します。

この睡眠計測センサーによって計測された体動データを、リアルタイムに眠りCONNECTに集約することで、利用者一人ひとりの現在の状態(覚醒、起きあがり、離床など)や状態変化からの経過時間、ベッドの背角度を表示することが可能です。また、あらかじめ設定することで、利用者の状態が変化した場合に端末に通知することが可能です。

介護施設の既存の電動ベッドにセンサーを設置可能

さらに眠りCONNECTには、利用者一人ひとりの睡眠時間や起床時刻などの睡眠指標を法人全体、施設ごと、ユニットごとなど自由な切り口で選択し、ダッシュボードに表示できるクラウドベースの「睡眠の見える化機能」も実装されています。これに基づいて本部にいる管理者が、離れた場所の各施設にいるスタッフに対して的確なケアの指示を出すことが可能となりました。

上記のような情報を管理者からスタッフまで全員が共有することで、介護現場における適切かつタイムリーな見守りとケアの品質向上、スタッフの業務負担軽減や生産性向上に寄与します。

「たとえば利用者が起きていることをあらかじめ確認したうえで、おむつ替えなどに訪室することが可能となります。睡眠中の利用者を起こしてしまう心配がなくなり、巡回の頻度も減らすことができます。実際にこれらのシステムを導入していただいたお客様からは、『このシステムのおかげで助かっています』といったスタッフの皆様の声も聞かれます」と田中氏は話します。

24時間365日連続稼働が可能なIoTエッジサーバーが必要に

今回の眠りCONNECTのリリースに合わせて、システムアーキテクチャの大幅な変更が行われています。そこでの大きな機能強化ポイントの1つが、介護施設内に配備された複数台の睡眠計測センサーからWi-Fi経由で取得した各種センサーデータを集約し、眠りCONNECTクラウドサーバーに連携させる役割を担う、いわゆるIoTエッジサーバーのリプレースです。

「従来のシステムではWindowsを搭載した一般的なPCを利用していたのですが、随時行われるOSのアップデート対応によって、どうしても稼働停止しなければならない時間が発生してしまいました。また1週間に1回程度は再起動しないと、パフォーマンスが低下してしまうといった問題もありました。介護施設のスタッフにはPC操作に不慣れな方も多いだけに、こうしたメンテナンス作業を現場にお願いするのは無理がありました」と田中氏は振り返ります。

この課題を解決し、24時間365日ノンストップの連続稼働が可能な新たなIoTエッジサーバーとして、パラマウントベッドは「ThinkEdge SE30」を採用しました。

ThinkEdge SE30 はコンパクトなのでデスク周りを圧迫することもない

技術開発本部 要素技術部 要素一課(ソフト開発グループ) 係長の西浦 想太氏は、比較検討を行ったベンダー数社のIoTエッジサーバーの中からThinkEdge SE30を選定した理由を、次のように話します。

「ThinkEdge SE30に注目した一番のポイントは、24時間365日の連続稼働が可能な耐久性です。レノボからは『冷却ファンやハードディスクなど、故障が発生しやすい機構部品を排除することで、信頼性・堅牢性を高めている』と聞きました。加えてLinuxに標準対応しており、アップデート対応などOSメンテナンスの作業負荷を最小限に抑えられる点を評価しました」

また、ThinkEdge SE30は、専用のサーバールームを持たない介護施設では、スタッフの詰所や事務室などに設置されることが多いのですが、省スペースゆえに設置場所を選びません。「この特徴は、先に述べたファンレス構造とあわせて職場環境の快適性・静音性を保つという点でも大きなメリットとなっています」(西浦氏)

Lenovoのサポートがシステムの迅速な提供と高信頼運用に寄与

パラマウントベッドは、Lenovoのサポート体制も高く評価しています。まずはキッティングサポートです。

「Lenovoは 独自のキッティングセンターであるCFS(Custom Fulfillment Service)を有しており、指定のOSバージョンのクローニング検証から、ミドルウェアを含めたマスターイメージの作成およびインストールまで一貫して作業を実施したうえで、製品を出荷してくれました。またThinkEdge SE30には当社からのリモート保守用のSIMカードを実装する必要があるのですが、この作業までキッティングサポートで対応してくれてとても助かりました。おかげ当社側での作業は、介護施設ごとの利用環境にあわせたアプリケーションやネットワークの設定のみで済んでいます」(西浦氏)

さらにThinkEdge SE30の5年間の延長保守サービスとプレミアムサポートが、長期間にわたる眠りCONNECTの安定稼働を支えています。

「当社は睡眠計測センサーの耐用年数を5年間と設定しています。Lenovoは、この長期間にわたる製品ライフサイクルに合わせた保守サービスを提供してくれています。しかもサポート依頼は24時間365日体制で受け付けており、早ければ翌営業日の午前中にサービスエンジニアが駆けつけてオンサイト対応してくれます。何らかのトラブルが起こった際に現場が最も苦労するのは、それがシステムに起因するものか、それともハードウェアに起因するものなのかといった判断ですが、Lenovoの保守サービスはそうした原因の切り分けまで含めて対応しており、とても心強い存在となっています」(田中氏)

クラウドに蓄積されたデータを分析しさらにソリューションを拡充していく

ThinkEdge SE30という強力なIoTエッジサーバーによって足元の基盤が固まったことに伴い、パラマウントベッドは眠りCONNECTを通じて提供するアプリケーションやサービスのさらなる高付加価値化を進めています。

またクラウド上に大量に蓄積されていくデータの分析も、大きなテーマの1つです。

「当社のクラウドには、これらのシステムを導入していただいた各介護施設から、多くの利用者のデータが集約・蓄積されていきます。パラマウントベッド睡眠研究所を中心として、蓄積されたこれらのデータについて個人情報を厳重に保護したうえで分析を行うことで、従来とは視点の異なる新たな睡眠指標を導きだして、提供していくといったことも目指しています」(田中氏)

日本中で叫ばれている高齢化や慢性的な人手不足は、介護施設においても喫緊の課題となっています。パラマウントベッドはLenovoとのパートナーシップを通じて、眠りCONNECTに対してハードウェアとソフトウェアの両面からの機能強化を図っていくことでこの課題解決に貢献。利用者のさらなるケア品質の向上と介護業務におけるDX実現を後押ししていこうとしています。

この課題を解決した製品・ソリューション

  • ThinkEdge SE30

    MIL-STD-810H規格もクリアし、超低温や高温の環境下での24時間365日稼働にも対応した5G/LTE対応 IoT端末。

お客様プロフィール

お客様

パラマウントベッド株式会社

所在地

東京都江東区東砂2丁目14番5号

創業

1947年5月


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