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導入事例

国際医療福祉大学大学院 杉本真樹医師・NTT東日本関東病院

VRの活用を通じて医療の未来を創造しようとする医師の思いとは?モバイルワークステーションだから広がる高度な医療IT。

概要

昨今、前立腺がんの全摘出手術において、「ダヴィンチ」と呼ばれる手術支援ロボットが広く使われるようになりました。患者の腹部に5mmから1cm程度の小さな穴をあけ、体内の様子を見る3D内視鏡とロボットアームを挿入して手術を行うものです。
こうしたロボット手術のフロントランナーとして知られるのがNTT東日本関東病院です。さらに同病院では、ロボット手術をVR(仮想現実)技術で支援する新たなシステムとして、医用画像解析アプリケーション「OsiriX」をはじめとするVRナビゲーションシステムの活用を始めました。開発者は、同病院泌尿器科部長の志賀淑之医師とタッグを組んで臨床にもあたっている、国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 准教授の杉本真樹医師です。
レノボのモバイル・ワークステーション「ThinkPad P70」上で稼働するVRナビゲーションシステムは、最新インテル® Xeon® プロセッサーおよびQuadroグラフィックスを搭載したそのハイスペックを活かし、患者をスキャンしたCTデータからリアルな立体感を持つ3Dモデル(VR解剖図)を生成し、ヘッドマウント・ディスプレイに描出します。執刀医のすぐ側で手術を支援する、次世代の“VRカーナビゲーション”のように、医師を支援するのです。

課題

医用画像解析アプリケーション「OsiriX(オザイリクス)」の開発にも関わっている杉本真樹医師は、その運用プラットフォームとして当初ある有名メーカーのPCを使っていた。しかし、VRとして快適なナビゲーションができるシステムとして活用するには十分な3Dグラフィックス性能を得ることができなかったことから、ポリゴン数を減らしてスムージングをかけた3D解剖図を表示していた。そのため本来の画質から精密さが欠け、作業も時間がかかってしまい、リアルな立体感を得ることができなかった。

ソリューション

杉本医師はVRによるナビゲーションシステムの運用プラットフォームとして、ThinkPad Pシリーズのフラッグシップとなる17型モバイル・ワークステーションである ThinkPad P70 を導入。モバイル向けインテル® Xeon® プロセッサーの高性能とともに、ハイエンドクラスのQuadroグラフィックスを搭載。タワー型ワークステーションに匹敵する高度な3Dグラフィックスの処理能力が、どこにでも持ち運べるようになった。

導入効果

ThinkPad P70 は、VRやゲームエンジンをはじめとする各種オープンソースのツールやライブラリとの整合性、そしてヘッドマウント・ディスプレイとの相性も非常に良く、高精細かつ鮮明な発色のリアルな3D表現を可能とした。特に、手術支援画像をVRナビゲーションとして表示するには、フレームレートを高く、レイテンシーを少なくしたいという要求に対して、そのクオリティを維持したまま3D画像を360°の自由な方向にスムーズに動かすことができた。手術室などの医療環境に影響を与えることなく、手軽に持ち込んで、患者のCT画像など大量のデータを“その場”で迅速に再構築し、さらにVRとしてユーザーの視線に追従するように表示し、没入感と奥行きを再現できるようになった。

この課題を解決した製品・ソリューション

お客様プロフィール①

お客様

国際医療福祉大学大学院 杉本 真樹 医師

略歴

医療画像解析、仮想現実(VR)/拡張現実(AR)/複合現実(MR)、手術ナビゲーションシステム, 3Dプリンターによる生体質感造形など医療分野での最先端技術開発で知られる。 自らも開発に携わった医用画像解析アプリケーションDICOM viewer OsiriXの公認OsiriX Ambassadorであり、次世代低侵襲手術, SPS機器の開発や手術ロボットなど最先端分野の研究を行っている。 医療・工学分野での最先端技術の研究開発のみならず、医療機器開発、医工産学連携、医療ビジネスコンサルティング、知的財産戦略支援の他、国内外各地における講演セミナー開催、ハッカソンなどを通じ、科学教育、若手人材育成を精力的に行っている。

お客様プロフィール②

お客様

NTT東日本関東病院

所在地

東京都品川区東五反田5-9-22

開設

1951年(当時、関東逓信病院)

職員数

医師(常勤190名、非常勤162名)

URL

https://www.ntt-east.co.jp/kmc/

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